ねりま九条の会学習会

戦後70年子どもたちに渡すバトン
平和を開くか戦争への道か

                            2015.2.2
 

 

       

講師 高田健さん



本日講演を予定していました渡辺治さんが、突然体調を崩して調子が良くないものですから、急遽、私が代わってお話することになりました。渡辺さんの体調はそんなに悪いわけではないので、みなさん心配しないで下さい。間もなく元気になって運動に復帰できると思います。(高田 健)
高田 健さん 略歴
許すな!憲法改悪・市民連絡会事務局、九条の会事務局、さようなら原発1000万人アクション、WORLD PEACE NOW、安倍教育政策NO!ネット、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争をさせない1000人委員会などの運動に取り組む。 福島県田村郡高野村(現郡山市)出身。 


奥平先生からのバトン

「九条の会」呼びかけ人のお一人だった奥平康弘先生が1月26日未明にお亡くなりになりました。19日に奥平さん、大江さん、澤地さん、私たち事務局で、今年初めての「呼びかけ人会議」を開いて、今年の通常国会は九条の会にとって大変重要な局面を迎えること、九条の会として安倍政権の暴走にどうやってブレーキをかけるか、そういう相談をやったばかりでした。
会議の結論は、3月の時点で「呼びかけ人」の記者会見を開くこと、3月15日には全国の活動者の討論集会を開いて、この通常国会に出てくる安保法制と九条の会はどう闘っていくか、皆で討論しようということでした。今までやってきた経験交流会とは違う会議です。そういうことを奥平先生などと一緒に決めたところでした。
奥平先生はとてもお元気で、25日には調布で講演をされ、人質の問題などもお話しされて夜遅
く家に戻り、お風呂に入って急性心筋梗塞で倒れました。市民運動というのは駅伝みたいなもので、自分ができる精一杯のところまでやって次のランナーにバトンを渡す。今日のタイトルにあるように、私は奥平先生からバトンを渡されたように思っています。

平和に形容詞はいらない

去年6月に奥平さんが九条の会の集会で話した講演が岩波ブックレットから「憲法九条は私たちの安全保障です」というタイトルで出版されています。その中で奥平さんは安倍首相が使っている「積極的平和主義」についてこう言っています。
「戦争と平和というのは、対(つい)になった言葉であって、平和には形容詞はいらない。それなのに平和につけるなら日本語で“積極的”という言葉になってしまうような、そういった言葉の文(あや)、これは絶対におかしいと言い続けなければなりません。平和主義者を英語ではpacifistと言いますが、これは戦争をしないだけでなくて、我われは武器を持って戦わないよという人たちのことを言うのです。どんな戦争もしないという状態に止まり続ける。だからそのための準備はしない。そのための武器は作らない。そのための武器を作って売るなどということは益々しない。こういう意味が込められているのに、これらの意味の一切を棚上げにして積極的平和主義と言っても、あたかも平和主義という言葉を騙(だま)しに使って、安倍政権はやりたいことをやろうとしています。」
先生は、安倍政権をこのように厳しく批判しています。

悲しみと抗議のサイレントアクション

昨日、寒風の中、市民連絡会が主催して首相官邸前で「悲しみと抗議のサイレントアクション」という緊急の集会をやりました。いつもは官邸前で騒ぐのですが、後藤さんが亡くなられたこともあって、シュプレヒコールを上げず、思い思いの言葉を書いた模造紙をもって、後藤さんを救えなかった痛みを抱きながら、寒風の中で立っていました。若者もいっぱいいました。 
集会から戻って、安倍首相の声明を聞いて怒りがこみ上げてきました。安倍首相は、一国の首相として外国にとらわれた国民を助けることができなかった。これに対して一言のお詫びもない。一市民運動家として、後藤さんに申し訳ないと思うのに、安倍首相には謝罪も責任も反省も、何もない。
「テロリストたちを決して許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携していく」というのです。世界の憲兵だと思っているアメリカの大統領だったら「(武力で)償わせる」くらいのことは言うでしょう。しかし、どう考えても憲法九条を持っている日本の責任者の言葉とは思えません。
だから自民党の中に、「日本人の救出を外国に頼るわけにはいかないという国民の声があるとして、今の国会で自衛隊による日本人の救出について検討する考え」が出てくる。昨日のNHKの報道です。一部の極右にそうした意見はあるでしょう。しかし、国民の中に本当にそんな意見がありますか?
 今日は首相官邸前で宗教者の人たちが集会をしています。キリスト教、仏教、イスラム教の人たちが、後藤さんの犠牲を利用して戦争に向かうようなことにならないようにと決議していました。
 アーネスト・アメリカ大統領報道官は、日本も含め60か国が有志国連合だと言っています。もう区別がないのです。日本は既に有志国連合に入っているのです。今日の東京新聞の一面見出しは「敵とみなされた日本」です。国際社会で、日本に敵と味方ができてしまったのです。
 首相官邸前の集会には報道関係者がいっぱい来ていました。外国のメディアの人たちもたくさんいて、「悲しみと抗議の官邸前サイレントアクション」の看板を指して質問されました。
 「抗議とは何ですか?」
 「日本政府に対する抗議であり、後藤さんを殺した人たちへの抗議、そして悲しみです。だから、こういうスタイルの集会にしました」
 犠牲者を悲しむだけでなく、政府とテロ組織に抗議する日本の市民がいることが、世界中に配信されたでしょう。
ヨルダンに対策本部を作ったのは安倍政権の外交の大失敗で、せめてトルコに置くべきだったと思います。ヨルダンに置いた結果、アメリカとの同盟は一層明確になったし、死刑囚との人質交換など問題が複雑になった。またヨルダンは有志国連合の一員となっているので、日本は何も言えない。日本政府はただ「信頼する」「お願いする」としか言えない。何もできない。少なくとも安倍首相は何もしなかった。こういう状況の中で、九条の会は活動していかなければならないようになったのです。何をやらなければいけないのか、そう思いながら今日ここにやってきました。

戦争する国へ 安倍政権の弱み

 安倍首相が昨年末に抜き打ち解散したのは、自分の手で明文改憲の着手までやりたい、そのために長期政権を作る、それが最大の狙いです。自民党の中には総裁任期を「3期9年」まで延長するという説も出てきました。明文改憲にあと6、7年位かけるつもりでしょう。
 その安倍首相がやりたいと思っていることが、この人質事件で露わに出てきました。有志国連合の一員となって自衛隊を戦地に投入し、アメリカと一緒になって血を流す、安倍首相が一番やりたがっていることです。
今年の通常国会は「安保国会」、「憲法国会」あるいは「安保法制の国会」になります。安倍首相は年末の選挙で国民の信任を得たと言って、今国会で一連の安保法制を仕上げる計画です。ところが必ずしもシナリオ通りに進んでいるわけではありません。
安倍政権には弱点があります。一つはアベノミクスで、これは時間の問題で答えが明確になってきます。第二は歴史修正主義の問題です。これも安倍政権の命取りになる問題で、アジア各国には安倍政権に対する強い警戒心があります。中国、韓国だけでなくロシアも警戒し始めていますし、アメリカも安倍政権の歴史修正主義に対して非常に警戒している。私たちが運動していくうえで、安倍政権のこの弱点をよく知っておくことが大切です。第三は集団的自衛権と安保関連法制で、この問題で安倍政権は深刻な矛盾を二つ抱えています。一つは公明党との問題です。もう一つはアメリカとの問題です。
昨年末には決着するはずだった日米ガイドラインの見直し問題は、再開の見通しさえついていません。
高村副総裁は昨年、閣議決定に従って改正する安保関連法律について、その概要を国民に提案すると言っていたのに、未だに示さない。政府は国民に対してはっきり言わないのです。単に隠しているのではなく、言えないのです。実はまとまっていないのです。
昨年5月15日の安保法制懇の答申、7月1日の閣議決定を巡って、公明党が自民党と相当激しくやり取りをしました。下手をすると公明党という政党が立ち行かなくなるところまで追い込まれていた。メンツを立ててくれなければ支持者に申し開きができないから、必死になって安倍政権と交渉したと思います。その結果、いろいろ議論はあると思いますが、安倍首相は7月15日に集団的自衛権の「限定容認」に変わった。公明党が認めない「ペルシャ湾での機雷掃海」はできるのかできないのか、はっきりしなくなったと私は思っています。この「限定容認」に「安倍首相は集団的自衛権を行使すると言ったじゃないか。日米安全保障ガイドラインも変えようと言ったじゃないか」とアメリカが怒りだしました。 

 

安保関連法制(内閣官房資料)

⑴ 我が国の防衛に直接関連する法制
○武力攻撃事態対処法(2003)
○自衛隊法(防衛出動に関連した規定)
○その他の事態対処法
○国民保護法(2004)
○特定公共施設利用法(2004)
○米軍行動関連措置法(2004)
○海上輸送規制法(2004)
○捕虜取扱い法(2004)
○国際人道法違反処罰法(2004)
⑵ 公共の秩序の維持に直接関連する法制
  ○自衛隊法
  ○海賊対処法(2009)
⑶ 周辺事態への対応に関連する法制
  ○周辺事態安全確保法(1999)
  ○船舶検査活動法(2000)
  ○自衛隊法(周辺事態に関連した規定)
⑷ 国際平和協力等の推進に関連する法制
  ○国際平和協力法(1992)
  ○国際緊急援助隊法(1987)(自衛隊は1992の改正以降参加)
  ○自衛隊法(国際平和協力業務等に関連した規定)
  ○派遣処遇法(1995)
  ・(時限法・失効)旧テロ対策特措法(2001-2007)
  ・(時限法・失効)旧補給支援特措法(2008-2010)
  ・(時限法・失効)旧イラク人道復興特措法(2003-2009)


1ヵ月半で戦争法制づくり

4月末の閣議でやっと、後半国会に提出される集団的自衛権を行使できるようにする安保関連法が分かります。改定される法律は概ね別掲の通りです。改定される各法が出てくるのか、改定条項だけを集めた一括法として出てくるのか、まだ何もわかりません。それをゴールデンウィーク明けから6月末までの僅か1月半で通そうというつもりです。
「消費税の繰り延べ」と「アベノミックスの是非」を問うものとした昨年末の総選挙で、安倍首相は70数回街頭演説をしたそうです。朝日新聞社の調べでは、そのうち10何回か、安保関連法について言及したそうです。言葉だけで、法律の中身に触れたわけではありません。それでも演説でも触れ、選挙公約にも掲げ、選挙で信任されたのだから、国会で一通り審議すれば、採決して何が悪い、これが民主主義だというのが安倍首相のやり方です。秘密保護法のときと同じで、あっという間に国会を通します。
別掲には出てきていないもので、最大の問題として、海外派兵恒久法の新規制定があります。解釈改憲の前で自衛隊の海外活動が認められない時は、テロ対策、アフガン派兵、イラク派兵と、海外活動のたびに特別措置法(特措法)を制定し、時限を定めて初めて自衛隊は海外で活動できました。その時限を取っ払うのが、恒久法です。アメリカから要請があって、それから特措法を立法化するのでは間に合わないから、あらかじめ法律を作っておいて、要請があれば即、海外へ派兵できる法律のことです。派兵するかどうかを、国会の承認条項とすれば、歯止め」があると言うでしょうが、与党が絶対多数の状況にあれば、なんの「歯止め」にもなりません。どういうネーミングの法律にするのか、「米軍戦争支援法」とはしないでしょう。国民の支持を受けやすいように「国際平和構築法」とでもするのでしょうか。


(1)明文改憲の工程表

 解釈改憲するとともに、明文化の動きが進んでいます。これも意外とスピードが速いのです。もっと自由に自衛隊を外国に行かせたい、自民党の中にそう考えている人が大勢います。そして船田元自民党憲法改正推進本部長が中心になって、明文改憲工程表を作っています。国会法には「憲法改正原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行う」という個別発議条項があります。自民党には既に憲法改正草案がありますが、国民投票というのは、現行憲法と自民党案のどちらに賛成かというように、一度に憲法の条項を全部取り替えてしまうようなことはできません。関連する項目ごとに何度も何度も国民投票を行う仕組みになっています。ですから自民党は急いで9条について国民投票に持ち込むわけではありません。一番重要なのは9条だと、船田さんは率直に言っています。しかし、9条から始めたらまだ改憲勢力に勝ち目はない。今やったら我われは絶対勝ちます。彼らもまだ勝てると思っていない。だから船田さんや菅官房長官は、多くの政党の共通の関心事項である環境権、緊急事態、財政規律などから発議していくと具体的に発言しています。今、国民の中には国民投票にアレルギーがあるけれども、一回やって慣れれば、様子を見ながら何回目かに9条を出してくる作戦です。

 

改憲攻撃テーマを絞って論戦準備

 憲法改正手続法というのはとんでもない欠陥法です。昨年、共産党と社民党を除く8党共同で提案され決まった法律です。8党が合意するテーマだと国民投票に通ります。いつからやるか。来年の参議院選挙と一緒にやりたいようです。現実にそれを目標に1千万人賛同者を目指して「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が運動を活発化しています。新宿駅南口に行くと署名運動をやっています。1千万の署名が集まれば、国民投票で3千万の得票ができると計算しているようです。
 集団的自衛権閣議決定の撤回決議をする自治体が沢山ありますが、憲法改正決議をする自治体もあります。こういう草の根運動が改憲勢力の中でも急速に進んでいます。明文改憲は先の話ではありません。ただし、国民投票で確実に勝てる時しかやらないでしょう。勝てるかどうか分からない時や勝てそうだというだけでは発議できないでしょう。だから我われは、発議させないだけの国民世論、今やっても勝てそうもないという状況を作っておかないといけない。そうすれば、桜井よしこたちがいくら頑張っても、9条の憲法改正の発議はできないでしょう。
 改憲勢力は、日本国憲法の弱点と言われているところを狙って攻めてきます。彼らの目のつけどころを幾つか上げておきます。9条改憲発議の前に、まずここで我われは改憲派と具体的な論争をして勝たなければなりません。
 環境権を憲法に入れる必要がある、そう言ってきます。環境権のために一度も闘ったことのない自民党、環境権の運動をいつも妨害してきた自民党、その党が環境権が大事だというのです。環境権が憲法にないのはおかしいと言ってきます。憲法に環境権の条項がないと環境は守れないのか。「九条の会」と「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が街頭で論争することになります。私たちの先輩は、憲法13条の幸福追求権と25条の生存権を根拠に、そのほかの条項にも依拠して環境を守る闘いをしてきました。それを我われは街頭を行く人たちに説明できなければなりません。
 裁判官の報酬についても攻めてくるでしょう。憲法は裁判官の報酬を減額できないと規定しています。政治家の判断で勝手に下げられないためです。ところが公務員の給与引き下げの中で、私たちがあまり闘えないうちに報酬が引き下げられてしまいました。憲法の方がおかしいという話が通ってしまった例です。日本国憲法の弱点として、彼らはこれも突いてくるでしょう。
 憲法89条「公の支配に属しない……教育……にたいし、支出してはならない」に文句をつけてくることも想定できます。国が私学助成をすると憲法違反になる。そうしないためには、憲法を変えなければならない、そういう理屈です。
多発する災害を前に、これに便乗して、緊急事態条項の加権を主張する議論も必ず出てきます。東日本大震災で民主党政権が十分に対応できなかったのは憲法に緊急事態条項がなかったからだという人が沢山います。原発事故が起こった時に、燃料を積んだトラック運転手が原発施設に入るのを断った例が使われます。放射線がどのくらい強いのか分からなければ、断るのは当たり前です。これをかんかんになって怒る人がいるのですね。憲法に緊急事態条項があったら、「行け」と命令ができる。運転手の人権を一時停止して、原発に突っ込ませる。これは放っておくと自民党草案の「第九章 緊急事態」に近づいていきます。九条ではまだかなわないが、震災を使って、緊急事態条項だったら加憲できるかもしれない、そう考えているのかもしれません。こうした問題でも、徹底的に論争して相手に勝(まさ)らないといけません。


九条の会の役割

で3分の2以上、参議院でも憲法改正手続法を共同提案した8党を集めると、3分の2以上になるでしょう。衆議院憲法審査会の委員は50名でそのうち改憲反対は、共産党の1名だけです。参議院憲法審査会の委員は45名で、改憲反対は共産2、社民1、合計3名です。議席でも委員会でも、改憲勢力が圧倒な数です。国会外でどういう運動を作るか、どういう世論を作るか、それ以外ありません。改憲勢力が国民投票をできないような世論を作ることが非常に大切です。この世論を作るのが九条の会の役割だと思います。


違いを超えて共闘しよう

憲法運動、平和運動、様ざまな運動は残念ながらいくつかの潮流に分かれてきました。例えば5月3日にやる憲法集会にしても、今から14年前には、東京で4つも5つもやられていた。それぞれ歴史的な経緯があって、そんなに違わないテーマなのに別々の会場でやっていた。14年前、いくつかが統合して、5・3憲法集会が日比谷公会堂を中心に開かれるようになりました。ここには当時の土井たか子さんと志位和夫委員長と、二人並んだのです。NHKが、これは大変なことだと大々的に報道していたのを私は覚えています。それ以来5・3実行委員会は続いています。これに沖縄社会大衆党や新社会党や民主党の何人かが賛同して、できるだけ幅広くやる流れができています。これは非常に力強い運動です。いろんな違いを超えて全国で統合した運動を作っていこうという流れが、それ以降できてきました。
憲法を守る運動だけでなく、反戦・平和運動でも似たような状況があります。基地闘争にしても沖縄闘争にしても、原水爆禁止運動も含めて、様ざまないくつかの潮流があります。労働運動もそうです。連合結成以来、労働運動も分裂しています。先生方の組合も日教組と全教が同じ職場の中にあり、自治体労働者の組合でも、自治労連と自治労があります。一概に悪いとは言えない。それぞれ理由があって皆さん非常に苦労してきた。

しかし、ここまで安倍政権の暴走があって、今のままでいいのか、意見の違いや歴史的経緯を超え大きく結集して世論に働きかけることができなければ、この暴走を止められない。そういう考え方が昨年の初めころから急速に出てきました。反原発運動はすでにそうした運動をしています。

5.3大集会を成功させよう

集団的自衛権行使容認の解釈変更の危機が迫ってきた昨年初め、文化人や平和フォーラムなどが中心になって、「戦争をさせない1000人委員会」が発足しました。続いて、市民諸団体の呼びかけで首都圏の137の市民・民主・労働団体が「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」を立ち上げました。5月末には全労連などを軸に、「戦争する国づくりに反対!憲法をまもりいかす共同センター」が再編発足しました。この3団体いずれもが昨年の通常国会、臨時国会の全期間を通して、安倍政権の改憲暴走に反対する大きな運動の母体となっていましたが、ここでも3団体が共同で行動することが切望されました。首相官邸前の抗議集会にはどの団体にも入っていない若者たちも大勢来るようになってきたのです。
昨年末、3団体は、その出自や経過から来る違いを乗り越え、共同行動を強め「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」を結成しました。「総がかり行動実行委員会」は日米ガイドライン改定や戦争関連法制の策定に反対する連続的な国会行動や、新聞意見広告の共同の取り組みなど、従来の枠を超えた大きな運動を計画しています。また、5月の憲法記念日には、さらに広範な諸運動と協力して、大きな共同行動を展開する考えです。
 この共同のため努力は、安倍内閣の戦争する国への改憲暴走に対決するために、この十数年実現しなかった総がかりの共同行動になりつつあります。

 今年の5月3日の憲法集会は、今までにない特別の活動になります。先ほどお話しした通り、今の通常国会は「安保国会」であるにも拘わらず、与党の思惑から安保関連法は統一地方選が終わってから提出されます。実質審議はゴールデンウィーク明けから始まります。歴史的な国会になるでしょう。
 憲法会場はまだ決まっていません。今、東京には何万人も集まれる場所がないのです。今までの都政の重大な問題です。代々木公園は1年も前から予約しないと使えません。明治公園はなくなります。日比谷公会堂は改築します。渋谷公会堂も潰します。今、会場問題で悩んでいます。決まり次第、連絡します。
 憲法集会では日本教育会館でやっていた5・3集会と日比谷公会堂でやっていた5・3集会が統一するだけでなく、スローガンも「戦争、原発、貧困、差別を許さない」として、さらに広範な諸勢力と協力して安倍内閣の暴走と対決しながら開催します。原発3団体にも入ってもらって、一緒にやりたいと思っています。総がかり実行委員会の3団体、TPPに反対している人、反貧困ネットの人、いろんな差別に反対して国際連帯をやっている人、みんな集まってもらって5・3集会をやり、安倍内閣に対して私たちの姿勢を明確に示そうじゃないかという準備が始まっています。
5月3日には各県各地で集会を計画していると思いますが、今年はその上に、この大結集を是非成功させたいと思っています。今年は私たちの「踏ん張り時」です。保守も革新もなく、本当に大きな世論を作らなかったら、バトンはボロボロになってしまいます。是非、若い人たちにきれいなバトンを渡そうではありませんか。